疑念
馬鹿馬鹿しい疑いなのだと思う。
でも、何も疑わずに過ごした9年のうち6年、彼はしれっと嘘をつき続けていたことを知ってしまった。
疑う自分が嫌だ。
でも、努力で信じることなんてできるんだろうか。
信じているフリならできる。
フリを続けるしか、この結婚生活を続けるすべはないのだと思うとつらい。
私の疑念を刺激しないように、細心の注意を払って生きてくれ、と彼に望むのはいけないことだろうか。
彼は「フェアではない」という理由でLINEを見せることや携帯を触らせることを拒んだけど、なぜ私ばかりがこんなに苦しまなければならないのかと思う。
こんなの、フェアなのか?
もし、彼が、去年の10月に私に「君にも君の家族にもうんざりだ」と言ってなかったら?と思う。
ただの遊びの浮気だよ、心は常に私との生活にある、とか言った言葉を信じたかもしれない。
でも、その言葉を聞いて、心がないとセックスできないと何度も聞かされて、そのうえであんなセックスしかしてなくて、彼女の名前を出した途端に態度が変わって、それらが全部、「少なくとも彼女の名前が出るあの瞬間まで、彼の気持ちは私になかった」ことを示しているとわかってしまった。
私が苦しんでいるみたいに、彼も苦しんでいるだろうか?
保身ではなく。
私への愛はあるんだろうか。