嫌な思い
今日、彼はまたiPhoneの三脚を買った。
あのクネクネした三脚はどこにやったの。
手足を縛るテープや、ローターたちと一緒にしまいこんだか処分したかしちゃったの。
それを買ったとわかった瞬間、三脚を何に使っていたのかがバーっと思い出されて、嫌な、憎しみとか、悲しみとか、そういった感情に満たされた。
彼の顔を見たくなくて、食事も買い物も全部どうでもよくなって。
泣きそうで、でも泣いて理由を問われたら困るし、泣くのも嫌だし。
流産になってから、どこかのタイミングから、この人とやっぱり生きていきたいと、いま人として1番頼りにしてるのはこの人だなーと思っていたのに。
今回買った目的は、なに。
言い訳みたいに、こんな時間から片付けを始めて、音楽をかけて、そのために三脚を使っているけれど。
いつもまったく、本当に全然まったくやらない片付けを、今日に限ってこんな時間に始めるなんて「このために買ったんです」って言い訳のためなんじゃないの、と思う。
全然信じられてないな、と、また認識した。