最悪の気分
行かなければ良かった。
とても良い人たちに、気を使わせてしまった。
でも、あの集団でもそういうことしてたんだね。
あそこはそういう場ではないと勝手に信じていた私がバカだった。
最悪だ。
船酔いなのか、気持ちの問題なのかわからないモヤモヤで吐き気がする。
お話したい人たちもいたし、みんな優しくしてくれた。
でも、こんなのは2度とごめんだ。
しかも、彼は私の体のことを彼らに話したらしい。
万が一私が突然行かないと言い出した場合への布石かね?
そんなことのために、私にとって、1番大事なデリケートなプライベートなことを、軽々しく話していたなんて。
まだ、どうなるかわからないのに。
ダメになる確率の方が高いのに。
家族にもまだ話してないのに。
彼は私の気持ちよりも、彼があの場にどう愛されるかの方が大事なんだということもよくわかった。
もう、彼らの集まりには絶対に行かない。こんな思いさせられて、1人で帰るなんて、絶対にごめんだ。
楽しい1日になると思っていたのに、本当に最悪だ。
もう帰ってこなくていいと何度も連絡しそうになった。
帰り道に母のところに寄って洗いざらい話して、全部終わらせようかと思った。
何もかも振り出し。
忘れようという努力はなんだったの。
私があの動画を見つけていなければ、今日だって何も知らずに彼女にも愛想をふりまいていたんだと思うと憎しみしかわかない。
なぜ、こんな思いをしなくちゃいけないのか。
明日は胎嚢が確認できるか、HCGが増えてるかどうかの瀬戸際の検査だ。
こんな気持ちで。
置いてきた彼は今頃、私の目もなくなって、思う存分楽しんでいることだろう。
なんならちょっとした共犯者気分で盛り上がってるかもね。
どんな顔して帰ってくるんだろう。
酔っ払って、適当にやりすごすつもりかな。
帰りたくねーなーとか、思ってるのかな。
行かなければよかった、本当に。